父親の健康状態の悪化



そんなこんなで半年が過ぎた頃。

結局、誰もお金を出すことができず、
毎月の支払いをなんとかこなしている状態。
わたしも家を出た身でしたが、それなりの援助をしていました。
たとえば、実家に遊びに行くときにビールを
1箱買っていったり、買い物をして行ったり。
細かいことを何回かするだけで、わたしたちの家計も実際には大打撃です。
皆、それなりに何とかしなければ、と言う感情は
どこかにありましたが、良い方法を思いつくこともなく、
そんな毎日に慣れてきてしまっていました。

相変わらず、働くそぶりのない父。

なんだか最近、様子がおかしい?と誰もが感じ始めたころ。
なんとなく心配になり、病院に連れて行きました。
やたらと喉が渇いているみたいだし、水をたくさん飲むからか
トイレの回数が増え、何もしていないのに疲れているようだし・・・。
やはり心配していたことが現実になりました。

糖尿病。

今まで不摂生を繰り返してきたのだから、当たり前といえば、当たり前。

困るのは、治療費です。

インスリンによる治療。

月額で言えば、驚くほどの金額ではありませんが、
あまりに切羽詰った状態なうえ、働いていない父。
糖尿病は発症すると、二度と元には戻らないとか。
この治療費をずうっと支払っていくなんて、考えられません。
このまま働かず、食費やタバコ代だけでなく治療費まで・・・。

いっそのことこの世からいなくなれば、とさえ願ってしまう状況です。
わたしも母親も妹も、そんなことを口に出してしまうことがありました。 そのとき。 初めて、相続という問題について考えました。




父は本当に
今まで頑張ってくれました。
私達のために、こんなにも
尽くしてくれていたのです。